高齢者の引っ越し事情
定年退職して老後を田舎やリゾートでの暮らしを夢みてる人が一番初めに挫折してしまうのが、住むところ探しです。
歳とともに足腰が弱ってくるだろうから階段が少なくて、いろんな病院やスーパーが近いと便利だなって思うでしょ?
高齢者の発想からすると、弱っていく可能性が高いから便利で新しい場所がいいなってなるんですけど、それが実に高齢者側の発想なんです。
実際、どういうことかと言うと・・・
街を開発する側とか不動産サイドからすると、便利で新しい土地は永い間住み続けてくれるであろう、若い夫婦を希望するんですよ。
もし子供が産まれれば、これからの雇用も消費も見込めるわけだし、将来性があるって判断するそうです。
これが開発側の発想なんですね。
そこで出てきたのが「年齢が60歳以上の高齢者の入居を断る物件」です。
老後を便利で新しい土地でゆっくり過ごそうと考えてる人にとっては、高齢者だからといって入居を断られるなんて考えられないでしょ!!
なぜ、高齢者の入居を断るのか・・・
これからの収入が年金しか見込みのない高齢者や保証人になってくれる人がいない高齢者には物件を貸しにくいというんです。
さらに悪質なケースでは、保証人も高齢者のケースが多くて、保証人に先立たれるとトラブルが増えると考える業者や、部屋の中で亡くなられる可能性が高いので次に貸しにくいと考える業者もいるそう。
そんな現状を打開するためにあるのが、「高齢者専用賃貸住宅」。
高齢者専用賃貸住宅
そんな苦情や相談、トラブルが後を絶たないのを背景に、作られた賃貸住宅が「高齢者専用賃貸住宅」。
通称、「高専賃」とも言われています。
高齢者専用賃貸住宅は市区町村が指定した、名前の通りに高齢者しか住めない賃貸物件です。
老後を楽しく暮らそうと考えてる市区町村の住宅窓口に指定・登録されている高齢者専用賃貸住宅(または高専賃)があるので、各市区町村で探して見て下さい。
高齢者専用賃貸住宅(または高専賃)の最大の特徴は、同じような悩みを持った同世代しかいないということ。
苦悩や悩みが理解できる分、ご近所付き合いもしやすい方だと言われています。
普通のマンションに介護サービスや医療サービスを併設してあったり、24時間365日ヘルパーさんが常駐していたり、食堂でサービスを受けられたりと、高齢者向けサービスが充実してるんです。
また、近くの不動産業者でも高齢者専用賃貸住宅(または高専賃)を探していると言えば資料を出してくれますよ。
「サービス付き高齢者向け住宅」への移行
高齢者住まい法の改正によって平成23年10月より『高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)、高齢者専用住宅(高専賃)は一本化されて、サービス付き高齢者向け住宅』になりました。
改正前の既得権も一定期間の経過措置もないということなので、高齢者専用住宅(高専賃)に住んでいる人は特に注意してください。
サービス付き高齢者向け住宅の基準を満たさない、または登録申請しない高齢者専用住宅(高専賃)は高齢者専用ではなくなるんです。